教育訓練給付金で資格の講座を受けたあと、「次の講座でもまた使えるのだろうか」と考える人は多いはずです。結論から言うと、2回目以降も使えます。ただし、待つ期間の数え方を間違えて、申請してから対象外と分かるケースが実際に起きています。この記事では、2回目に使うための条件と、自分がいつから使えるかの数え方を、厚生労働省の資料をもとに整理します。
- 教育訓練給付金は2回目以降も使えます。支給の条件に回数の上限は書かれていません
- 2回目には「2つの3年」が要ります。前回の受講開始日から雇用保険に3年以上入っていることと、前回の最後の支給決定日から3年以上たっていることです
- 専門実践は修了後や資格取得後にも支給があるため、受講開始日から数えるより2年以上遅くなることがあります
※制度の情報は2026年10月13日時点で確認したものです。
2回目も使える。条件は「2つの3年」
教育訓練給付金(一般・特定一般・専門実践)の支給の条件には、回数の上限は書かれていません。1回目と同じ条件に加えて、次の2つを満たせば何度でも使えます。
| 条件 | 何を数えるか | どこから数えるか |
|---|---|---|
| 1つ目の3年 | 雇用保険に入っている期間 | 前回の受講開始日から、今回の受講開始日まで |
| 2つ目の3年 | 給付を受けてからの期間 | 前回の最後の支給決定日から、今回の受講開始日の前日まで |
どちらも雇用保険法とその施行規則で定められたルールです。2つは別々に数え、両方を満たしてはじめて2回目に使えます。
1回目には、初めて使う人向けの特例があります(一般・特定一般は加入1年以上、専門実践は加入2年以上でよい)。この特例は2回目以降には使えません。種類が違っても同じで、1回目が一般で2回目が専門実践でも、2つの3年が必要です。
教育訓練給付金の3つの種類の違いは、教育訓練給付金とは|一般・特定一般・専門実践の違いで説明しています。

1つ目の3年:加入期間は前回の受講開始日から数え直す
1回目に給付を受けると、前回の受講開始日より前に雇用保険に入っていた期間は数えなくなります。前回の受講開始日から数え直して、3年以上が必要です。
たとえば、10年働いてから1回目の講座を受け、その受講開始日から2年半たった時点で2回目を考えても、加入期間は2年半と数えます。まだ使えません。
転職した場合は、前の会社をやめてから次の会社に入るまでの空白が1年以内なら、期間を通算できます。ただし通算できるのは、前回の受講開始日より後の期間だけです。

2つ目の3年:前回の「最後の支給決定日」から数える
起点は受講開始日でも修了日でもない
2つ目の3年は、前回の講座の受講開始日でも、修了日でもなく、前回の給付の支給が決まった日(支給決定日)から数えます。ハローワークの職員向けの手引き(業務取扱要領)では、次のように定められています。
- 一般・特定一般:修了後に申請して支給が決まった日
- 専門実践:前回の講座の最後の支給決定日。専門実践は受講中も6か月ごとに支給され、最後の支給は修了後に申請した分です
- 専門実践で資格を取って追加の給付を受けた場合:その追加の給付の支給決定日

いつから使えるかの例
前回の受講開始日をどれも2026年4月1日として、2回目に受講を始められる時期を比べます。日付はすべて架空の例です。
| 前回の講座 | 前回の最後の支給決定日(例) | 2回目に受講を始められるのは |
|---|---|---|
| 一般(6か月。2026年9月末に修了) | 2026年11月 | 2029年11月ごろ以降 |
| 専門実践(2年。2028年3月末に修了) | 2028年5月 | 2031年5月ごろ以降 |
| 専門実践で資格を取って就職し、追加の給付を受けた | 2028年8月 | 2031年8月ごろ以降 |
※支給決定日は、修了後の申請からおよそ1か月後と仮に置いた例です。実際の日付は、ハローワークから届く支給決定の通知か、後で紹介する支給要件照会で確かめてください。1つ目の3年(前回の受講開始日から加入3年)は、どの例でも2029年4月に満たすものとしています。
2024年10月から、専門実践には「修了後の賃金が受講前より5%以上上がったら10%を上乗せする」追加の給付ができました。この追加の給付を受けた場合に、その決定日が起点になるかは、確認できた資料には書かれていません。受け取った人は、支給要件照会で確かめるのが確実です。
使う順番で受け取れる額が変わる
2つ目の3年があるため、どの講座で給付を使うかの順番によって、受け取れる額の合計が変わります。
たとえば、受講料5万円の一般の講座で給付を受けると、戻るのは20%の1万円です。それでも、その支給決定日から3年間は、受講料が100万円を超える専門実践の講座を受けても給付は出ません。専門実践なら最大80%が戻るはずだった額を、3年待つか、あきらめることになります。
- 3年以内に専門実践を受ける予定がある:一般の講座で給付を受けるか、先によく考える
- 受けたい講座が複数ある:戻る額の大きい講座で使えるよう、受ける順番を計画する
法律では「支給を受けたことがあるとき」に制限がかかると定められています。そのため、一般の講座を受けても給付を申請しなければ、2つの3年はかからないと読めます。ただし、自分の場合に当てはまるかは、決める前にハローワークで確かめてください。
一般の講座の条件と戻る額は一般教育訓練給付金とはで説明しています。
専門実践は10年で192万円まで
専門実践には、2回目以降に関わる上限もあります。最初に専門実践の給付を受けた講座の受講開始日から10年の間に始めた専門実践の給付は、合計192万円までです。

- 1回目で上限近くまで受け取った人は、10年以内の2回目では残りの分しか出ません
- 10年を過ぎると、その後に専門実践の給付を受けた講座の受講開始日から、新しく10年を数えます
- 最初の受講開始日が2024年9月30日以前の人は、上限が168万円です
専門職大学など、法令上最短4年の課程には、4年目の分として上限64万円の上乗せがあります。ただし、その課程の受講開始日より前の10年以内に別の専門実践を受けたことがある人は、上乗せの対象外です。
専門実践の給付の流れと戻る額は、専門実践教育訓練給付金とは|働きながら受ける条件と受講前の手続きで確認できます。
2回目の手続きで、1回目と違うこと
手続きの流れは、基本的に1回目と同じです。違うのは次の点です。
- 再受給時報告を出す:特定一般か専門実践を受けるとき、過去に特定一般か専門実践の給付を受けたことがあれば、受講前の受給資格確認で「専門実践教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付再受給時報告」を出します
- 同時に2つの講座では使えない:複数の講座について同時に支給申請はできません
特定一般・専門実践では、1回目と同じく、訓練前キャリアコンサルティングと、受講開始日の2週間前までの受給資格確認が必要です。2回目だからといって省けるわけではありません。

2回目を使えない・別のルールの制度
名前の似た制度には、2回目のルールが違うものがあります。
| 制度 | 2回目 |
|---|---|
| 教育訓練支援給付金(失業中に専門実践を受ける人の生活費) | 使えない。教育訓練給付金や支援給付金を受けたことがないことが条件。詳しくは教育訓練支援給付金とはで紹介しています |
| 職業訓練受講給付金(求職者支援制度。雇用保険に入っていない人向け) | 別の制度。過去6年以内に受けていると支給されない |
| 教育訓練休暇給付金(会社を休んで学ぶ間の生活費) | 受け取っても、教育訓練給付金の加入期間には影響しない |
「職業訓練 2回目」で調べると求職者支援制度の情報が出てきますが、教育訓練給付金とは別の制度です。雇用保険に入っていない人が使える制度はリスキリング補助金を個人で使うにはで紹介しています。
よくある質問
何回まで使えますか?
支給の条件に回数の上限は書かれていません。2つの3年を満たすたびに使えます。
前回の講座を途中でやめました。2回目の扱いになりますか?
1回でも給付を受けていれば、2回目の扱いになります。専門実践は受講中も6か月ごとに支給されるため、途中でやめても、それまでに受け取った分があれば当てはまります。一度も受け取っていない場合は、ハローワークで確かめてください。
前回の支給申請を出し忘れていました
支給申請は、期限を過ぎても時効の2年以内なら出せます。詳しくは教育訓練給付金の申請期限を過ぎたら?で説明しています。ただし、受け取ると、その支給決定日から2つ目の3年を数えることになります。次に使いたい講座の予定と合わせて考えましょう。
前回の支給決定日や加入期間が分かりません
ハローワークに「支給要件照会」をすると、今回の受講開始(予定)日の時点で給付を受けられるかを書面で回答してもらえます。照会票を、住所を管轄するハローワークに来所・電子申請・郵送のいずれかで出します(電話では受け付けていません)。照会をしなくても支給申請はできますが、2回目で起点に不安があるなら、申し込む前に照会しておくと安心です。照会票の書き方と出し方は教育訓練給付金支給要件照会票の書き方|e-Govで電子申請する手順で説明しています。
まとめ
教育訓練給付金は、条件を満たせば2回目以降も使えます。いつから使えるかは、次の3ステップで確かめてください。
- 前回の日付を確かめる:前回の受講開始日と、最後の支給決定日(追加の給付を受けたならその決定日)
- 2つの3年を数える:受講開始日から加入3年、最後の支給決定日から3年。遅いほうが2回目に使える時期
- 迷ったら支給要件照会:講座を申し込む前に、ハローワークに書面で確かめる
専門実践を考えているなら、使う順番と10年192万円の上限もあわせて計画しておきましょう。制度全体は教育訓練給付金とはで確認できます。



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