教育訓練給付金を使うつもりで講座を申し込んでから「実は対象外だった」と分かると、受講料はすべて自己負担になります。そうならないために、受講前にハローワークへ確かめる手続きが「支給要件照会」です。この記事では、照会票の書き方と出し方、そして平日にハローワークへ行けない人のために、e-Govで電子申請する手順を厚生労働省の資料をもとに整理します。
- 支給要件照会は任意の手続きです。受講前に「受給資格があるか」「講座が指定を受けているか」を書面で確かめられます
- 照会票は、住所を管轄するハローワークへ来所・代理人・郵送・電子申請のいずれかで出します。電話では照会できません
- 2024年2月から、教育訓練給付金の手続きは誰でも電子申請できます。e-Govから出し、個人の電子署名は要りません。ただしパソコンが必要です

※制度の情報は2026年10月13日時点で確認したものです。
支給要件照会で分かること・分からないこと

分かることは2つ
支給要件照会では、受講開始(予定)日の時点について、次の2つをハローワークに確かめてもらえます。
- 教育訓練給付金の受給資格があるか:雇用保険の加入期間や、離職してからの期間などの条件を満たしているか
- 受けたい講座が指定を受けているか:その講座が、受講開始(予定)日の時点で厚生労働大臣の指定を受けているか
照会票に講座の指定番号を書くと、ハローワークはその講座が一般教育訓練か専門実践教育訓練かを判別して、その種類の受給資格を回答します。結果は「教育訓練給付金支給要件回答書」という書面で受け取ります。
回答どおりにならないこともある
回答書は、照会した時点の状態が受講開始日まで続くと推定して出されるものです。照会票の注意書きでは、次のような場合は回答どおりにならないことがあるとされています。
- 実際の受講開始日が、照会票に書いた予定日と違った
- 照会した後に、離職や転職で雇用保険の加入の状況が変わった
- 適用対象期間の延長を受けた期間が変わった
- 照会した後に、適用対象期間の延長を受けた
たとえば、加入期間がぎりぎりの人は、受講開始日が予定より早まっただけで条件を満たさなくなることがあります。予定が変わったら、もう一度照会しておくと安心です。
照会しても、申請は別に必要
照会は確かめるための手続きで、照会しただけでは給付金は受け取れません。給付金を受け取るには、照会したかどうかにかかわらず、種類ごとの手続きが必要です。逆に、照会をしなくても申請はできます。
教育訓練給付金の3つの種類の違いは、教育訓練給付金とは|一般・特定一般・専門実践の違いで説明しています。
照会したほうがいい人
照会は任意ですが、次のような人は講座を申し込む前に照会しておくと安心です。
| 自分の状況 | 照会で確かめられること |
|---|---|
| 雇用保険の加入期間が境目にある(初めてなら、一般・特定一般は1年、専門実践は2年が目安) | 受講開始予定日の時点で、加入期間が足りているか |
| 仕事を辞めてから1年近くたつ | 離職してから受講開始日までが1年以内か(妊娠・出産・病気などで延長を受けている場合を含む) |
| 前に教育訓練給付金を受けたことがある | 前回の支給から3年たっているか、前回の受講開始日から加入3年あるか |
| 講座の指定の期間に受講開始日が入るか不安 | 受講開始予定日の時点で、講座が指定を受けているか |
2回目以降の数え方は、教育訓練給付金の2回目はいつから?で説明しています。

照会票の入手と出し方
照会票は印刷して使う
照会票は、ハローワークインターネットサービスの「教育訓練給付金支給要件照会票」のページから印刷できます。ハローワークや教育訓練施設でも配っています。印刷の方法は2つあります。
- 内容を入力して印刷:画面で入力してから印刷する。手書きの手間が省ける
- 様式のみ印刷:白紙を印刷して手書きする
照会票は機械(OCR)で読み取るため、A4の白い紙に等倍(100%)で印刷します。等倍以外で印刷したものは、窓口で受け付けてもらえません。汚したり、必要以上に折り曲げたりしないようにしましょう。
提出先と添付する書類
提出先は、本人の住所を管轄するハローワークです。照会票には、次のどちらかを添付します(コピーでかまいません)。
- 本人確認と住所確認ができる官公署の書類:運転免許証、国民健康保険被保険者証、雇用保険受給資格者証、住民票の写し、印鑑証明書など
- 雇用保険被保険者証のコピー
4つの出し方
| 出し方 | 注意点 |
|---|---|
| 本人が来所 | 窓口で出す。回答書はその日のうちに受け取れることがある |
| 代理人が来所 | 委任状が必要 |
| 郵送 | 確認書類はコピーにする。原本を送るなら、住民票の写しか印鑑証明書に限る |
| 電子申請 | e-Govから出す(後の章で説明) |
電話での照会はできません。
代理人に頼むときの委任状は、照会票の注意書きに次の文例があります。
(本人の住所・氏名・印)(委任した年月日)
照会票の書き方(欄ごと)
照会票の注意書きにある、欄ごとの決まりをまとめます。

| 欄 | 書き方 |
|---|---|
| 1 被保険者番号 | 雇用保険被保険者証(または雇用保険受給資格者証)に書かれた番号。16桁(上6桁・下10桁の2段)で書かれていたら、下の10桁を使う |
| 2・3 姓・名 | 本人の氏名 |
| 4 フリガナ | 姓と名の間を1文字あける。濁点・半濁点は1文字として書く。「ヰ」「ヱ」は「イ」「エ」にする |
| 5 生年月日 | 元号のコード番号を書いてから年月日。1桁の数字は頭に「0」を付けて2桁にする |
| 6 指定番号・教育訓練施設の名称・教育訓練講座名 | 講座が指定を受けているかも確かめたいときに書く |
| 7 受講開始(予定)年月日 | 受講を始める(予定の)日。将来の日付なら1年6か月以内 |
| 9・10 郵便番号・住所 | 住所の1行目は都道府県名を書かず、市区町村名から。2行目は丁目・番地。アパート・マンション名は3行目 |
| 照会者の電話番号 | 平日の昼間に連絡がつく番号 |
1欄の被保険者番号は、手元の被保険者証で16桁になっていることがあります。その場合は下の段の10桁を使います。画面で入力して印刷する場合は、10桁を最初の4桁と残りの6桁に分けて入力し、最後の欄は空けます。番号が分からないときは、勤め先に聞くと分かります。
6欄の指定番号・施設名・講座名は、厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で調べられます。受講を考えているスクールに問い合わせる方法もあります。指定番号を書いておけば、ハローワークが講座の種類を判別して回答してくれるので、講座が決まっているなら書いておきましょう。
回答書の受け取り方と、照会の後にやること
回答書は即日か後日
回答書は、その日のうちに本人か代理人に渡されるか、後日、住所に郵送されます。電子申請で照会した人の体験談では、回答まで4日ほどかかったそうです。講座の申込の締切が近いなら、早めに出しておきましょう。
照会の後は、種類ごとの手続きへ
回答書で受給資格を確かめたら、講座の種類ごとに次の手続きに進みます。
| 種類 | 照会の後にやること |
|---|---|
| 一般教育訓練 | 受講前の手続きは無い。受講・修了したら、修了日の翌日から1か月以内に支給申請する |
| 特定一般教育訓練・専門実践教育訓練 | 訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードを作り、受講開始日の2週間前までに受給資格確認の手続きをする |
一般教育訓練の流れは一般教育訓練給付金とは、専門実践の受講前の手続きは専門実践教育訓練給付金とはで説明しています。
電子申請できる手続き・できない手続き
2024年2月から、誰でも電子申請できるようになった
以前は、教育訓練給付金の支給申請と受給資格確認を電子申請・郵送・代理人で出せるのは、病気やけがなど、やむを得ない理由がある場合に限られていました。2024年2月1日からはこの条件がなくなり、誰でも電子申請できます。電子申請は「e-Gov電子申請」から行い、個人の電子署名は要りません。
手続きごとの出し方
| 手続き | 来所 | 代理人 | 郵送 | 電子申請 |
|---|---|---|---|---|
| 支給要件照会(任意) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 受給資格確認(特定一般・専門実践。受講前) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 支給申請(一般・特定一般・専門実践) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 教育訓練支援給付金の受給資格確認・失業の認定 | ○ | × | × | × |
教育訓練支援給付金だけは、窓口でしか手続きできません。失業の状態や、専門実践の講座を受けているかを窓口で確かめる必要があるためです。制度の内容は教育訓練支援給付金とはで説明しています。
また、専門実践の支給申請を電子申請で出しても、受給資格者証は郵送で出す必要があると案内している労働局(兵庫労働局)もあります。専門実践の人は、住所を管轄するハローワークに出し方を確かめておきましょう。
e-Govで電子申請する手順
用意するもの
- パソコン:Windows 11、または macOS 14以上。スマートフォンからは申請できません
- スキャナかカメラ:添付する書類をPDFかJPEGにするため
- アカウント:e-Govアカウントを作る。GビズIDやMicrosoftアカウントでもログインできる
準備の3ステップ
- アカウントを用意する:e-Govのサイトで、e-Govアカウントを登録する
- ブラウザの設定をする:ポップアップのブロックを解除する。有効のままだと画面が正しく表示されないことがある
- アプリをインストールする:e-Gov電子申請アプリケーションをダウンロードしてインストールする。インストールには、パソコンの管理者のアカウントが必要
申請の流れ

- 手続きを探す:アプリの「手続検索」で、手続名称に「教育訓練給付金」と入れて検索し、出したい手続きの申請書を選ぶ
- 基本情報を入れる:申請者の情報と連絡先の情報(氏名・住所など)を入力する
- 申請書を入力する:紙の様式と同じ欄を入力する
- 書類を添付する:「書類を添付」から、PDFかJPEGにした書類を付ける
- 提出する:提出先に住所を管轄するハローワークを選び、内容を確かめて提出する
- 届いたか確かめる:マイページの「直近の案件」に、15桁の到達番号が出ていれば提出できている
手続検索では、教育訓練給付金に関する手続きがいくつも出てきます。照会・受給資格確認・支給申請のどれを出すのか、支給申請なら一般・特定一般・専門実践のどれかを確かめてから選びましょう。三重労働局の案内では、違う申請書で出したものは受理せず返却するとされています。
一般教育訓練の支給申請で添付する書類(例)
三重労働局の案内では、一般教育訓練の支給申請で次の書類を添付するとしています。
- 教育訓練修了証明書(講座の修了後にスクールから渡される)
- 領収書、またはクレジット契約証明書
- 運転免許証(両面)など、住所の確認ができる書類
- 振込先の通帳かキャッシュカード
- 教育訓練経費等確認書(一般教育訓練版)
支給申請書の欄の書き方は、紙でも電子申請でも同じです。教育訓練給付金の支給申請書の書き方と記入例で、欄ごとに説明しています。
電子申請でつまずきやすい点
- 被保険者番号の桁数:被保険者証の番号が16桁なら、下の10桁を使う。分からなければ勤め先に聞く
- 提出先:住所を管轄するハローワーク以外には出せない。勤め先の近くのハローワークを選ばないようにする
- 本人確認の書類:電子申請でも、確認書類の画像の添付が要る。電子申請で照会した人の体験談では、画面に分かりやすく書かれていないため、忘れやすいとのことです
- パソコンの環境:アプリが動くのはWindows 11とmacOS 14以上。Macでうまくいかないときは、Windowsのパソコンで試す
- その場で答えが出ない:窓口と違い、職員にその場で確かめてもらえない。期限のある手続きは早めに出す
支給申請の期限を過ぎてしまった場合の扱いは、教育訓練給付金の申請期限を過ぎたら?で説明しています。
よくある質問
支給要件照会は必ずしないといけませんか?
いいえ、任意です。照会をしなくても、一般教育訓練の支給申請や、特定一般・専門実践の受給資格確認はできます。加入期間が境目にある人や、2回目以降の人は、申し込む前に照会しておくと安心です。
電話で照会できますか?
できません。照会は、来所・代理人・郵送・電子申請のいずれかで、照会票を出して行います。
照会や電子申請にマイナンバーカードは要りますか?
必須ではありません。照会の確認書類は、運転免許証や住民票の写しなどでもかまいません。電子申請でも個人の電子署名は要らないため、マイナンバーカードの電子証明書を使う必要はありません。
スマートフォンで電子申請できますか?
できません。e-Gov電子申請のアプリは、Windows 11かmacOS 14以上のパソコンで使います。
回答書で「受給資格がある」とされれば、必ず給付金をもらえますか?
必ずとは言えません。回答書は照会した時点の状態が続くと推定したもので、受講開始日が変わったり、離職や転職で加入の状況が変わったりすると、回答どおりにならないことがあります。給付金を受け取れるかは、支給申請(特定一般・専門実践は受給資格確認)で決まります。
支給申請書も電子申請できますか?
できます。一般・特定一般・専門実践のどれでも、e-Govから出せます。欄の書き方は紙と同じです。
教育訓練支援給付金も電子申請できますか?
できません。教育訓練支援給付金の受給資格確認と2か月に1回の失業の認定は、本人が窓口に行って手続きします。
まとめ
支給要件照会は、講座を申し込む前に給付金を受けられるかを確かめるための、任意の手続きです。次の3ステップで進めましょう。
- 照会票を書く:被保険者番号(16桁なら下の10桁)と受講開始予定日(1年6か月以内)に注意し、講座の指定番号も書く
- 出し方を選ぶ:来所・代理人・郵送・電子申請のどれか。平日に行けないなら、e-Govから電子申請する
- 回答書を見て次の手続きへ:一般は修了後に支給申請、特定一般・専門実践は受講開始日の2週間前までに受給資格確認
e-Govの電子申請は、照会だけでなく受給資格確認や支給申請にも使えます。制度全体は教育訓練給付金とはで確認できます。


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