施工管理6.95倍・データエンジニア2.25倍|専門職の人材不足

施工管理6.95倍・データエンジニア2.25倍|専門職の人材不足

同じ「転職市場」という言葉でも、職種によって需要の温度差はここまで広がっています。職業情報提供サイト「job tag」の2026年8月時点データでは、施工管理(建築・土木・測量技術者)の有効求人倍率は6.95倍、データエンジニアは2.25倍。全職種平均を大きく上回る水準です。この記事では、なぜこの2職種で人材不足が際立つのか、年収はどれくらいか、未経験からでも狙えるのかを、公開データをもとに整理します。

目次

求人倍率で見える専門職の需給ギャップ

まず結論から。施工管理とデータエンジニアは、いずれも「人を探しても見つからない」状態が続いている職種です。有効求人倍率が高いほど、求職者1人あたりの求人数が多く、採用側にとっては売り手市場を意味します。

この章のポイント

  • 施工管理(建築・土木・測量技術者)の有効求人倍率は6.95倍
  • 建築は8.56倍、土木は16.3倍とさらに高水準
  • データエンジニアは2.25倍で、全職種平均を上回る

施工管理は6.95倍、土木は16.3倍

job tag(2026年8月時点)によると、施工管理を含む建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は6.95倍で、有効求人数は月あたり56,858件にのぼります。内訳を見ると建築が8.56倍、土木は16.3倍と、職種の中でも突出した数字です。

有効求人倍率が16倍ということは、単純化すると1人の求職者に対して16件の求人がある計算になります。採用側から見れば、募集をかけても応募が集まりにくい状況が続いていることを示します。

データエンジニアは2.25倍

一方のデータエンジニアは、job tag(2026年8月時点)で有効求人倍率2.25倍です。施工管理ほど極端ではありませんが、後述する全職種平均と比べれば高い水準にあります。

データエンジニアとは、企業が持つ大量のデータを収集・加工・整備し、分析や機械学習に使える状態に整える技術者を指します。データ活用が広がるなかで、その「土台」を作る人材の需要が伸びている職種です。

年収データが示す「不足の対価」

人材が不足している職種は、待遇にもその影響が表れます。施工管理・データエンジニアはいずれも、日本全体の平均給与を大きく上回っています。

施工管理の平均年収は654.6万円

job tagのデータでは、施工管理の平均年収は654.6万円です。全職種平均の544.9万円より約110万円高く、2019年の612.9万円から一貫して増加傾向にあります。

参考として、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による日本全体の平均給与は478万円です。施工管理はこれを大きく上回っており、人手不足が待遇に反映されている職種だと言えます。

データエンジニアは約609.8万円

データエンジニアの平均年収は約609.8万円(job tag)です。こちらも日本全体の平均給与478万円を大きく上回ります。

年収の比較(各種公開データより)

  • 施工管理:654.6万円(全職種平均544.9万円)
  • データエンジニア:約609.8万円
  • 日本全体の平均給与:478万円(国税庁・令和6年分)
  • 転職市場の全職種平均年収:429万円(doda・2025年12月発表)

背景として、データを扱う市場そのものが拡大しています。Mordor Intelligence(2026年8月更新)は、ビッグデータエンジニアリングサービスの世界市場規模が2026年の1,053.8億米ドルから、2031年には2,130.7億米ドルへ拡大すると予測しています。市場が伸びれば、それを支える技術者の需要も続くと考えられます。

この数字を自分のキャリアにどう活かすか

ここからは、公開データをどう読み、どう行動につなげるかという視点で考えます。求人倍率や年収の数字は魅力的に見えますが、そのまま「おいしい職種」と受け取るのは早計です。

高倍率は「入りやすさ」とイコールではない

有効求人倍率が高いことは、求人数が多いことを意味しますが、誰でもすぐ採用されることを保証するものではありません。とくに施工管理は、施工管理技士などの資格や現場経験が評価される職種です。倍率の高さは経験者への需要の強さを反映している面が大きいと考えられます。

求人倍率が高い職種でも、無資格・未経験がそのまま高年収に直結するわけではありません。まずは必要な資格・スキルと、自分の現在地との差を確認することが出発点になります。

未経験から目指すなら「差を埋める順番」を決める

未経験からこれらの職種を検討する場合、いきなり応募するのではなく、必要なスキルを段階的に埋める発想が現実的です。

  • 施工管理なら、施工管理技士などの資格制度と、未経験者を育てる求人の有無を調べる
  • データエンジニアなら、SQL・Python・データベースなど基礎技術から学習範囲を絞る
  • 学習コストを抑えたい場合は、教育訓練給付金など公的な支援制度が使える講座かを確認する

これらは元データに具体的な学習手順まで示されているわけではないため、あくまで一般的な進め方の目安です。実際の要件は、志望する企業の募集内容や資格の公式情報で確認してください。

数字の裏にある「需要が続く理由」を見る

施工管理の求人倍率が長期的に高い背景には、建設需要と技術者の高齢化があると一般に指摘されています。データエンジニアは、前述の市場拡大予測が示すように、データ活用の広がりが需要を押し上げています。

つまり、どちらも一時的なブームではなく構造的な人材不足である可能性が高い職種です。中長期のキャリアを考えるうえで、需要が続く理由まで押さえておくと判断がぶれにくくなります。

この記事のまとめ

施工管理とデータエンジニアは、有効求人倍率と年収の両面で、日本全体の平均を大きく上回る専門職です。改めて要点を整理します。

  • 施工管理の有効求人倍率は6.95倍(建築8.56倍・土木16.3倍)、平均年収654.6万円
  • データエンジニアは有効求人倍率2.25倍、平均年収約609.8万円
  • いずれも日本全体の平均給与478万円を大きく上回る
  • 高倍率は「経験者への需要の強さ」を反映しており、入りやすさとは別問題
  • 未経験から目指すなら、資格・スキルの差を段階的に埋める設計が現実的

気になる職種があれば、まずは資格制度や求人の応募要件を公式情報で確認し、自分の現在地との差を把握することから始めてみてください。数字の大きさだけでなく、その需要が続く理由まで見ておくと、キャリアの選択に納得感が生まれます。

よくある質問

有効求人倍率が高い職種は、未経験でも採用されやすいですか?

求人数が多い状態を示すため、採用の門戸自体は広い傾向があります。ただし施工管理のように資格や現場経験が重視される職種では、高倍率は主に経験者への需要を反映しています。未経験の場合は、育成前提の求人を探したり、必要な資格・スキルを先に身につけたりする準備が現実的です。

施工管理の年収654.6万円は、未経験でも得られる金額ですか?

654.6万円はjob tagが示す施工管理全体の平均年収であり、経験年数や資格、勤務先の規模によって幅があります。未経験入社の初年度からこの水準に届くとは限りません。平均値は「経験を積んだ後に見込める到達点の目安」として捉えるのが妥当です。

データエンジニアになるには何を学べばよいですか?

一般的には、SQLやPython、データベースの基礎知識が土台になるとされています。ただし今回参照したデータには具体的な学習手順までは含まれていないため、詳細は志望する企業の募集要件や、学習講座の公式情報で確認することをおすすめします。

この求人倍率の数字はどこの調査によるものですか?

本記事の有効求人倍率・平均年収は、職業情報提供サイト「job tag」の2026年8月時点データに基づいています。あわせて、日本全体の平均給与は国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(478万円)、転職市場の平均年収はdoda(2025年12月発表・429万円)を参照しています。

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