「副業を始めたいけれど、勤め先は認めてくれるのだろうか」。そう迷ったまま一歩を踏み出せずにいる会社員は少なくありません。みらいワークスが大企業の人事・労務担当者500名に実施した最新調査では、正社員の副業・兼業を容認する企業は54.6%と過半数に達しました。この記事では、この数字の内訳と「企業が副業をどう扱い始めているか」を読み解き、会社員が次に取るべき行動を整理します。
大企業の副業容認は54.6%、すでに過半数が認めている
みらいワークスが2026年に公表した「副業・兼業に関する人事制度の実態調査」(大企業の人事・労務担当者500名対象)によると、正社員の副業・兼業を容認する企業は54.6%でした。一方で禁止している企業は25.6%にとどまります。
つまり、大企業においても「副業は認められない」という前提はすでに崩れつつあります。まだ4社に1社は禁止しているものの、多数派は容認へ動いているというのが直近の実態です。
- 正社員の副業・兼業を容認する大企業は54.6%で過半数
- 禁止は25.6%で、容認が明確に上回る
- 「原則自由」は前年7.4%から9.0%へ拡大
「原則自由」が前年から拡大している
注目したいのは、条件を付けずに副業を認める「原則自由」の企業が前年の7.4%から9.0%へ広がった点です(みらいワークス調べ)。数字自体は小さな伸びに見えますが、方向性としては「申請さえすれば基本は認める」という運用へ緩む企業が増えていることを示しています。
副業を検討するうえで、勤め先の制度が「原則禁止・例外的に許可」なのか「原則自由」なのかは大きな違いです。まずは自社の就業規則がどちらのタイプかを確認するところから始めるとよいでしょう。
外部の副業人材を受け入れる企業も過半数
同調査では、外部からの副業・兼業人材を受け入れている企業が56.8%に上りました。自社の社員に副業を認めるだけでなく、他社の人材を副業ベースで迎え入れる動きも半数を超えています。
これは会社員にとって、副業が「本業の合間の小遣い稼ぎ」ではなく、企業が正式に活用する働き方の一つになりつつあることを意味します。受け入れ側の需要があるからこそ、副業人材として声がかかる余地も広がっています。
企業はなぜ副業を認め、なぜ禁じるのか
副業を認める・認めないの判断には、企業側の明確な理由があります。ここを理解しておくと、勤め先と交渉する際や、副業先を選ぶ際の視点が変わります。
認める理由は「多様な働き方」と「自律的キャリア形成」
みらいワークスの調査では、副業を認める理由のトップは「多様な働き方の実現」35.9%、次いで「従業員の自律的なキャリア形成」34.8%でした。
要するに、企業は福利厚生としてではなく、社員が主体的にキャリアを設計する手段として副業を位置づけ始めています。副業を通じて社外で学んだ知見が本業に還ることを期待している、という文脈です。副業の申請時に「本業にどう活かすか」を自分の言葉で説明できると、承認されやすくなる可能性があります。
禁じる理由は「労務管理の難しさ」
一方、副業を禁止する理由のトップは「労務管理の困難さ」49.8%、次いで「社内業務への支障」48.9%でした(同調査)。
つまり企業が警戒しているのは、社員が副業で稼ぐこと自体ではなく、労働時間の管理や情報漏えい、本業のパフォーマンス低下といった実務上のリスクです。裏を返せば、こうした懸念を先回りして解消できれば、禁止企業でも例外的に認められる余地はあります。
- 本業に支障が出ない稼働時間の見込み(週◯時間まで、など)
- 競合避止・守秘義務に抵触しない副業内容であること
- 本業で得たスキルや人脈を副業先に流用しないという線引き
「容認」から「戦略的活用」へ、企業の姿勢が変わっている
今回の調査で最も注目すべきは、副業を容認する企業の約8割にあたる77.3%が、採用PRや知見の活用など何らかの形で副業を事業に活かしていた点です(みらいワークス調べ)。
副業は「渋々認めるもの」から「企業が戦略的に使うもの」へと意味を変えつつあります。副業を認めていること自体を採用時のアピール材料にしたり、社員が社外で得た知見を社内に還流させたりする動きです。
副業が「採用競争力」になる時代
副業容認を打ち出す企業が増えれば、それが応募者を引きつける要素になります。求職者側から見れば、副業可否は待遇や社風と並ぶ企業選びの判断材料の一つです。
転職や就職を考えている人は、求人票や採用サイトで副業に関する記載を確認してみてください。制度として明記している企業は、働き方の柔軟性を重視している傾向が読み取れます。
会社員が今からできる準備
企業側の需要が広がっているとはいえ、副業で成果を出せるかは本人のスキル次第です。まず取り組みやすいのは、本業で培った専門性を棚卸しし、それを社外で通用する形に言語化することです。
- 自社の就業規則で副業の可否と申請フローを確認する
- 本業のスキルを「他社でも役立つ形」で棚卸しする
- 小さく始められる案件(スポットのコンサル・執筆・アドバイザー等)から試す
- 労働時間と守秘義務のリスクを自分で管理する体制を作る
副業は一度に大きく踏み出す必要はありません。企業の受け入れ体制が整いつつある今は、小さく始めて実績を積むには不向きなタイミングではないといえます。
この記事のまとめ
大企業の副業容認は54.6%と過半数に達し、「原則自由」も前年から拡大しました。企業が副業を認める背景には多様な働き方や自律的キャリア形成への期待があり、容認企業の77.3%は採用PRや知見活用として副業を戦略的に使い始めています。
副業を検討しているなら、まず勤め先の就業規則で可否と申請フローを確認し、本業のスキルを社外で通用する形に言語化するところから始めるのが現実的です。企業側の受け入れが広がっている今こそ、自分のスキルの棚卸しに着手してみてください。
よくある質問
大企業でも副業は認められているのですか?
みらいワークスが大企業の人事・労務担当者500名に行った調査では、正社員の副業・兼業を容認する企業は54.6%で過半数を占めました。禁止は25.6%です。ただし容認の条件は企業ごとに異なるため、必ず自社の就業規則を確認してください。
副業を申請すると本業で不利になりませんか?
企業が副業を禁止・警戒する主な理由は「労務管理の困難さ」や「社内業務への支障」であり、副業そのものへの反発ではありません。稼働時間の見込みや守秘義務への配慮を事前に整理して申請すれば、本業への影響を懸念されにくくなると考えられます。
どんな副業から始めるのがよいですか?
本業で培った専門性を活かせるスポット案件から始めるのが取り組みやすい方法です。外部の副業人材を受け入れている企業は56.8%あり、コンサルティングや執筆、アドバイザーなど自分のスキルを短時間で提供できる形態から試すと、本業との両立がしやすくなります。
副業を認めている会社かどうかは、どこで確認できますか?
在職中であれば就業規則や社内規程が一次情報です。転職・就職を検討している場合は、求人票や採用サイトに副業可否の記載があるかを確認してください。副業を戦略的に活用する企業では、採用PRとして制度を明記しているケースが増えています。
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