同じ「20代の転職」でも、職歴3年を境に転職の動機は大きく変わります。学情が2026年8月に実施した調査では、職歴3年以上の層は「給与・年収アップ」が突出し、職歴3年未満の層は「会社の風土が合うこと」を最優先していました。この記事では、この世代差の中身と、自分がどちらのタイプかを見極めて転職活動に活かす方法を整理します。
学情調査でわかった20代の転職理由の世代差
まず結論から。同じ20代でも、職歴の長さによって転職で求めるものは分かれています。学情が2026年8月6日〜23日に実施した「転職意識調査」(20代専門転職サイト「Re就活」来訪者、有効回答186件)が、その違いを数字で示しました。
出典:学情「20代転職意識調査」(PR TIMES、2026年)
ヤングキャリアは「給与・年収アップ」が突出
職歴3年以上の「ヤングキャリア」層では、転職理由の「給与・年収アップ」が48.1%と突出しました。次いで「ライフステージの変化」23.1%、「職場の人間関係に不満」19.2%と続きます。
一定の実務経験を積み、自分の市場価値をある程度つかんだ層だからこそ、報酬そのものを軸に動く傾向が読み取れます。
第二新卒のトップは「会社の風土が合うこと」
一方、職歴3年未満の「第二新卒」層でトップになったのは「会社の風土や考え方が合う企業で働きたい」33.0%でした。続いて「残業を減らしたい、休日を確保したい」25.8%、「給与・年収アップ」22.7%となっています。
入社後まもない層ほど、給与よりも働く環境や価値観の一致を重視していることがわかります。
- 職歴3年以上(ヤングキャリア)は「給与・年収アップ」48.1%が突出
- 職歴3年未満(第二新卒)は「会社の風土が合うこと」33.0%が最多
- 同じ20代でも、経験年数で転職の軸が分かれている
なぜ第二新卒は「給与」より「風土」を選んだのか
注目したいのは、第二新卒層で「給与・年収アップ」を挙げた人が減っている点です。前年調査でトップだった「給与・年収アップ」は32.5%でしたが、今回は22.7%へと低下しました。学情はこの変化について、初任給引き上げの広がりが一因と分析しています。
初任給の底上げが動機を変えた可能性
つまり、初任給が上がったことで、若手の「まず給与を上げたい」という切迫感が和らいだ、という見方です。給与面の不満が相対的に小さくなれば、次に重視されるのは働く環境や価値観の一致になります。今回「風土」がトップに立った背景には、こうした賃金環境の変化があると考えられます。
「合わない」を早めに見極める動き
第二新卒層で「会社の風土や考え方が合う企業で働きたい」が最多だった事実は、入社後に感じた違和感を早めに解消しようとする姿勢とも読めます。長く我慢してから動くのではなく、価値観のミスマッチを見つけた段階で次を検討する。そうした行動が数字に表れているといえます。
自分はどちらのタイプ?転職の軸を見極める
ここからは読者自身への当てはめです。調査は「20代」を一括りにせず、自分の立ち位置で転職の軸を考えることの大切さを示しています。まず、自分がどちらの傾向に近いかを確認してみてください。
職歴年数で優先順位を整理する
以下は、調査結果をもとにした軸の整理です。自分の状況と照らし合わせる目安にしてください。
- 職歴3年未満で今の環境に違和感がある人は、まず「何が合わないのか」を言語化する
- 職歴3年以上で市場価値を高めたい人は、希望年収と根拠になるスキルをセットで整理する
- どちらの層も、給与・風土・働き方のうち「絶対に譲れない条件」を1つに絞る
譲れない条件を1つに絞る理由
転職の軸が複数あると、求人比較の基準がぶれて判断が長引きます。給与・風土・労働時間のすべてを満たす求人は多くありません。だからこそ、最優先の1条件を決めておくと、応募先の取捨選択がしやすくなります。
20代の転職は「いつ動くか」も差が出ている
転職理由だけでなく、動き出す時期にも層ごとの差がありました。ここも自分のペースを考えるヒントになります。
希望時期は既卒者が最も早い
転職・就職を希望する時期を見ると、「3カ月以内」の合計は既卒者76.6%、第二新卒55.7%、ヤングキャリア48.0%でした。「1年以内」ではそれぞれ86.6%、74.3%、63.4%となっています。
既卒者ほど早期の就業を望み、経験を積んだヤングキャリアほど時間をかけて選ぶ傾向が読み取れます。
焦らず準備する期間の使い方
在職中に転職活動を進めるなら、応募のピークを自分で決めておくと動きやすくなります。希望時期から逆算して、書類の準備・情報収集・面接対策の期間を確保する。時期に幅があるヤングキャリア層ほど、じっくり市場価値を整理する時間を取りやすいといえます。
この記事のまとめ
学情の調査は、「20代の転職」を一枚岩で捉えないことの重要性を示しています。得られた知見を振り返ります。
- 職歴3年以上は「給与・年収アップ」48.1%が突出、職歴3年未満は「風土が合うこと」33.0%が最多
- 第二新卒の「給与」重視は前年32.5%から22.7%へ低下し、初任給引き上げが一因とされる
- 希望時期は既卒者が最も早く、ヤングキャリアほど時間をかけて選ぶ傾向
まずは、自分が第二新卒とヤングキャリアのどちらの傾向に近いかを確認し、給与・風土・働き方のうち「譲れない条件」を1つに絞ってみてください。軸が定まると、求人の見え方が変わってきます。転職を具体的に考え始めたら、希望時期から逆算して準備スケジュールを組むところから始めるのがおすすめです。
よくある質問
第二新卒とヤングキャリアの違いは何ですか?
今回の学情調査では、職歴3年未満を「第二新卒」、職歴3年以上を「ヤングキャリア」として区分しています。明確な法的定義があるわけではなく、調査や企業によって線引きは異なりますが、実務経験の量が転職の動機に影響するという点で分けて考える意味があります。
20代の転職で給与を優先しても大丈夫ですか?
給与を軸にすること自体は問題ありません。ただし調査では、経験を積んだヤングキャリア層ほど給与を重視する傾向が見られました。給与だけで選ぶと入社後に風土のミスマッチが起きることもあるため、希望年収の根拠となるスキルや、譲れない働き方の条件も併せて整理しておくと安心です。
初任給が上がると転職しにくくなりますか?
一概には言えません。今回の調査では、初任給引き上げの広がりが第二新卒層の「給与・年収アップ」を理由に挙げる割合の低下につながった可能性が指摘されています。給与への不満が和らぐと、風土や働き方など別の軸で転職を検討する動きが出てきていると考えられます。
転職活動はいつから始めるのがよいですか?
希望する就業時期から逆算して準備を始めるのがおすすめです。調査では「3カ月以内」の就業を望む人が既卒者で76.6%、第二新卒で55.7%、ヤングキャリアで48.0%でした。在職中に活動するなら、書類作成・情報収集・面接対策に必要な期間を見込んで、余裕を持って動き出すとよいでしょう。
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