新年度が始まって3ヶ月、なんとなく「このまま今の職場でいいのだろうか」と感じてはいませんか。その感覚は、あなただけのものではありません。Job総研の2026年の調査では、新年度開始から約3ヶ月で61.4%が転職を意識しているという結果が出ています。この記事では、その調査データを手がかりに、転職意欲がどんなタイミングと感情から生まれるのかを整理し、自分の状態を客観視するための材料をお届けします。
新年度3ヶ月で6割が転職を意識するという事実
まず結論から示します。パーソルキャリアが運営する調査機関「Job総研」が2026年7月29日に発表した『2026年 転職意識調査』(407人対象)によると、新年度開始から約3ヶ月で全体の61.4%が転職を意識し、57.5%が今夏の転職を検討・実施していると回答しました(Job総研、調査期間2026年7月8日〜13日)。
半数を超える人が転職を意識するという数字は、決して特殊な人たちの話ではないことを示しています。新しい期が始まり、新しい業務や人間関係に慣れてきた頃に、あらためて働き方を見つめ直す人が多いということです。
なぜ「3ヶ月」というタイミングなのか
4月に新年度が始まると、異動・配属・新しいプロジェクトなど環境の変化が一気に訪れます。最初の1〜2ヶ月は目の前の仕事に対応するだけで精一杯になりがちです。
そこから3ヶ月が経つと、新しい環境の輪郭が見えてきます。仕事の進め方、上司との相性、評価のされ方などが具体的に分かってくるため、「思っていたのと違う」という違和感が言語化されやすいタイミングだと考えられます。
転職を意識する理由の上位は「給与」と「業務内容」
同調査では、転職を意識した理由として「給与への不満」「業務内容が合わない」が上位に挙がりました。また今夏の転職を検討する理由の最多も「給与への不満」で、次いで「はたらき方を変えたい」が続いています。
・61.4%が直近3ヶ月で転職を意識
・57.5%が今夏の転職を検討・実施
・転職を意識した理由の上位は「給与への不満」「業務内容が合わない」
職場ストレスと転職意欲の相関を読む
次に注目したいのが、転職意欲と職場ストレスのつながりです。同調査では76.2%が直近3ヶ月で職場ストレスを実感しており、ストレスがある人ほど転職意識・今夏の転職検討が顕著になる傾向が示されました(Job総研、2026年)。
つまり、転職を意識するかどうかは、待遇そのものだけでなく「今の職場でどれだけ消耗しているか」と結びついているということです。
ストレスの正体は「業務量」と「人間関係」
職場ストレスの内容として最も多かったのは「業務量」で、次いで「上司・先輩との関係」でした。さらに35.1%が職場課題として「業務量の偏り」「人手不足」を実感していると回答しています。
これは、個人の能力や努力の問題というより、職場の構造に起因するストレスが多いことを示しています。人手不足で一人あたりの業務量が増え、その負荷が特定の人に偏る——という構図は、多くの職場で見られるものです。
ストレスを「転職のサイン」と決めつけない
ここで一つ、冷静に受け止めたい点があります。職場ストレスがあるからといって、それがそのまま「今すぐ転職すべき理由」になるとは限りません。
ストレスの原因が一時的な繁忙期にあるのか、それとも構造的に解消の見込みがないのかで、取るべき行動は変わります。まずはストレスの源を切り分けることが、判断を誤らないための第一歩です。
転職意欲を客観視する3つのステップ
転職を意識したときにまずやるべきは、応募でも退職でもありません。自分の状態を整理することです。以下の手順で、勢いと本質的な不満を切り分けてみてください。
- 不満を「給与・業務・人間関係・働き方」の4つに分類して書き出す
- それぞれが「今の職場で改善可能か」を判定する
- 改善不可能な項目が転職先で解決できるかを確認する
ステップ1:不満を4つに分類する
Job総研の調査で上位に挙がった「給与」「業務内容」「はたらき方」「人間関係」は、そのまま自己分析の切り口になります。漠然とした「辞めたい」を、この4カテゴリに分けて言葉にしてみましょう。
書き出すことで、自分が本当に困っているのはどこなのかが見えてきます。給与だけが不満なのか、それとも人間関係が根にあるのかで、次の選択肢はまったく変わります。
ステップ2:社内で解決できる可能性を確認する
不満の中には、転職しなくても解決できるものがあります。業務量の偏りは上司への相談や配置転換で改善する場合がありますし、給与も評価面談や社内の等級制度で動く余地があるかもしれません。
転職はエネルギーとリスクを伴う選択です。社内で解決できる不満まで転職で解消しようとすると、労力に見合わないこともあります。
ステップ3:転職で解決できるかを見極める
社内では解決できないと判断した不満について、それが転職で本当に解決するのかを確認します。求人情報や口コミ、可能であれば転職エージェントへの相談を通じて、候補となる職場の実態を具体的に調べることが重要です。
このステップを踏むことで、「隣の芝生が青く見えているだけ」なのか、「本当に環境を変える価値があるのか」を見分けやすくなります。
この記事のまとめ
Job総研の『2026年 転職意識調査』は、新年度3ヶ月というタイミングで6割が転職を意識し、その背景に職場ストレスが強く関わっていることを示しました。要するに、転職意欲は待遇だけでなく「今の職場でどれだけ消耗しているか」から生まれているということです。
大切なのは、この数字を見て焦ることではありません。自分の不満を4つに分類し、社内で解決できるものと転職でしか解決できないものを切り分けることで、勢い任せではない判断ができるようになります。
もし転職を具体的に考え始めたら、まずは自分の不満の棚卸しから着手し、そのうえで求人情報を眺めて相場感をつかむところから始めるのがおすすめです。
よくある質問
新年度3ヶ月で転職を考えるのは早すぎますか?
Job総研の調査では61.4%が直近3ヶ月で転職を意識しており、決して珍しいことではありません。ただし「意識する」ことと「今すぐ辞める」ことは別です。まずは不満の内容を整理し、社内で解決できるかを確認したうえで判断するのが安全です。
職場ストレスがあると必ず転職したほうがいいのでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。同調査では76.2%が職場ストレスを実感していますが、ストレスの原因が一時的な繁忙期なのか構造的なものなのかで対応は変わります。原因を切り分けることが、判断を誤らないための第一歩です。
転職理由で最も多いのはどんな内容ですか?
Job総研の2026年調査では、転職を意識した理由・今夏の転職を検討する理由ともに「給与への不満」が最多でした。次いで「業務内容が合わない」「はたらき方を変えたい」が挙がっています。
転職を意識したら最初に何をすべきですか?
応募や退職の前に、自分の不満を「給与・業務・人間関係・働き方」の4つに分類して書き出すことをおすすめします。そのうえで、それぞれが社内で解決できるか、転職で解決できるかを見極めると、勢い任せの決断を避けられます。
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