従業員5,000名以上の大企業に副業で入った人材のうち、32.9%が「新規事業の立ち上げ」を担当しています。副業人材活用支援サービス「lotsful」が2026年6月30日〜7月1日に副業経験のある20〜40代会社員660名へ実施した調査の結果です。この記事では、副業が「隙間時間の作業代行」から「経営の中枢を担う仕事」へ変わりつつある実態と、その変化を自分のキャリアにどう生かすかを整理します。
大企業の副業人材、3人に1人が新規事業開発を担当
まず数字を押さえます。lotsfulの調査によると、従業員5,000名以上の大企業に参画した副業人材のうち、32.9%が「新規事業の立ち上げ、0→1のコンセプト設計、PoC等の事業開発業務」を担当していました(出典:lotsful調査、PR TIMES 2026年)。副業経験者全体の平均21.9%を大きく上回る水準です。
PoC(Proof of Concept)とは、新しいアイデアが実際に機能するかを小さく試す「概念実証」を指します。つまり大企業は、まだ形になっていない事業の入り口部分を、外部の副業人材に委ねはじめているということです。
「作業支援」ではなく「事業を作る」役割へ
これまで副業といえば、資料作成やデータ入力、記事執筆といった「決まった作業の代行」がイメージの中心でした。今回の調査が示すのは、その枠を超えた動きです。
- 新規事業の0→1コンセプト設計
- PoC(概念実証)の実行
- 事業開発業務そのもの
こうした「答えのない領域」に副業人材が入り込んでいます。企業規模が大きいほどこの傾向は強く、事業開発を担う割合が全体平均を約11ポイント上回りました(出典:lotsful調査)。
なぜ大企業ほど副業人材を中枢に置くのか
大企業は既存事業の運営体制が固まっている一方で、新しい事業を立ち上げる人材が社内に不足しがちです。ゼロから事業を作った経験を持つ人は、社内では限られます。
そこで、スタートアップ経験者や特定領域の専門家を副業という形で迎え入れ、社内にない視点とスピードを補う。これが「経営コア領域への副業活用」の背景にある構図と考えられます。
コンサル外注より「費用対効果が高い」と8割が回答
この数字は、副業人材を受け入れる企業側の合理性を示しています。高額なコンサルティング契約ではなく、必要な専門性を持つ個人とプロジェクト単位で組む。その方が費用対効果が高いと感じる企業が過半数を超えました。
成果・スピード・意思決定にも変化
費用面だけではありません。外部人材の参画による変化を、経験者は次のように実感しています。
- プロジェクトの成果・スピードが改善した:69.5%
- 組織や意思決定のあり方が変化した:72.9%
(出典:lotsful調査)
要するに、副業人材は「手を動かす人員」ではなく、組織の動き方そのものに影響を与える存在として認識され始めています。外から来た人が持ち込む判断基準や進め方が、受け入れ側の意思決定を変えるケースが多いということです。
受け入れる側の目線を知ると、選ばれる副業人材になれる
この調査は企業側の評価データですが、副業をする個人にとっても示唆があります。企業が求めているのは「安く作業をこなす人」ではなく、「成果とスピード、そして視点をもたらす人」です。
自分の専門性を「どの作業ができるか」ではなく「どんな成果と変化を生めるか」で語れるかどうか。ここが、経営コア領域に呼ばれる副業人材と、作業代行にとどまる副業人材の分かれ目になります。
副業経験者の約8割が「経営コア領域」への参画に前向き
働く側の意欲も高まっています。経営の中枢に関わる領域への参画意向について、副業経験者の約8割が前向きでした。
- 積極的に参画したい:28.7%
- 条件次第で参画したい:51.2%
(出典:lotsful調査)
さらに、大企業での副業を経験した人に絞ると「積極的に参画したい」が51.9%まで上がります。中枢の仕事を一度経験した人ほど、次もそうした役割を求める傾向がうかがえます。
「キャリアの武器」としての副業という捉え方
ここで角度を変えて考えます。経営コア領域の副業は、本業だけでは得にくい経験を積む場になります。
新規事業の立ち上げ、経営層との議論、意思決定への関与。こうした経験は、本業の会社では順番待ちだったり、そもそも機会がなかったりします。副業を通じてこれらを先取りすることが、本業の昇進や将来の転職においても評価される資産になり得ます。
経営コア領域の副業に近づく3つの準備
いきなり大企業の新規事業に呼ばれるわけではありません。段階を踏む必要があります。今日から始められる準備を整理します。
- 自分の専門領域を1つに絞り、「実績+数値」で語れるよう言語化する
- 小さな案件から実績を作り、成果を出したプロセスを記録しておく
- 副業マッチングサービスに登録し、事業開発・PoC関連の案件に触れておく
この記事のまとめ
lotsfulの調査が示したのは、副業の役割が「作業支援」から「経営コア領域」へと移りつつある実態でした。要点を振り返ります。
- 大企業に入った副業人材の32.9%が新規事業開発を担当
- 副業経験者の80.7%が、コンサル外注と比べ費用対効果は同等以上と評価
- 成果・スピードの改善を69.5%、意思決定の変化を72.9%が実感
- 経営コア領域への参画に約8割が前向き、大企業経験者では過半数が積極的
副業は「本業の隙間を埋めるもの」から「本業では得られない経験を積む場」へと役割を広げています。もし経営や事業開発に関わる副業に関心があれば、まずは自分の専門性を数値と実績で言語化するところから始めてみてください。就業規則の確認を済ませたうえで、副業マッチングサービスで実際の案件を眺めるだけでも、求められるスキルの解像度が上がります。
よくある質問
副業で新規事業開発に関わるには、どんなスキルが必要ですか?
特定領域の専門性(マーケティング、エンジニアリング、事業企画など)に加えて、ゼロから物事を組み立てた経験が評価されやすい傾向があります。lotsfulの調査でも、大企業ほど0→1のコンセプト設計やPoCを副業人材に任せる割合が高く、全体平均を上回っていました。まずは自分の得意領域を1つに絞り、実績を数値で語れるよう整理することが近道です。
副業人材は本当にコンサル会社より費用対効果が高いのですか?
lotsfulの調査では、副業経験者の57.7%が従来のコンサルティング会社等への外注と比べて「費用対効果が高い」と回答し、「同程度」を合わせると80.7%に達しました。ただしこれは副業を受け入れた企業側の実感であり、案件の性質や人材のマッチ度によって結果は変わります。あくまで傾向として捉えるのが適切です。
会社員のまま経営コア領域の副業をしても問題ありませんか?
まず勤務先の就業規則で副業が認められているかを確認することが前提です。認められている場合でも、競合企業での副業や機密情報の扱いには注意が必要です。本業に支障が出ない稼働量から始め、契約時に業務範囲と守秘義務を明確にしておくと、トラブルを避けやすくなります。
副業の経験は本業のキャリアにも役立ちますか?
新規事業の立ち上げや経営層との議論など、本業では順番待ちになりがちな経験を先取りできる点が利点です。こうした経験は本業での評価や将来の転職においても資産になり得ます。ただし効果には個人差があり、得た経験をどう本業へ還元するかによって価値は変わります。
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