副業を始める理由が「もう少しお金がほしい」から「将来が不安だから」へ変わりつつあります。副業マッチングサービスのlotsfulが実施した『副業とお金の実態調査2026』では、副業で得た収入の74%が投資に回されているという結果が出ました。この記事では、この調査データをもとに「副業がなぜ資産形成の起点になっているのか」を読み解き、収入を投資に回す前に確認しておきたいポイントまで整理します。
副業収入の74%が投資に回るという調査結果
lotsful(運営:パーソルイノベーション)が2026年1月に20〜40代の会社員を対象に実施した『副業とお金の実態調査2026』によると、副業で得た収入の74%が「投資」に回されていると報告されています(出典:lotsful『副業とお金の実態調査2026』)。
かつて副業といえば、生活費の補填や趣味への支出といった「今の暮らしを楽にするお金」というイメージが強くありました。しかしこの調査結果は、副業収入が消費ではなく将来に向けた資産づくりの原資になっている実態を示しています。
「稼いだ分を使う」から「稼いだ分を増やす」へ
74%という数字が意味するのは、副業を「その月の家計を助ける手段」ではなく、中長期の資産形成の入り口として位置づける人が多いということです。
背景には、新NISA(少額投資非課税制度)の定着があると考えられます。投資のハードルが下がったことで、本業とは別の収入をそのまま投資口座へ移す流れが生まれやすくなっています。副業と投資が別々の行動ではなく、ひとつの資産形成サイクルとしてつながり始めていると言えます。
副業収入は「余剰資金」として投資に向きやすい
投資の基本は、当面使う予定のない余剰資金で行うことです。本業の給与は生活費や固定費に紐づいているため、まるごと投資に回すのは難しい面があります。
その点、副業収入は生活の土台とは切り離された「上乗せのお金」になりやすく、心理的にも投資へ振り向けやすい性質があります。74%という高い割合は、この副業収入ならではの使いやすさを反映しているとも読み取れます。
お金の不安が副業を後押ししている
副業を始める動機として「お金の不安」が大きな比重を占めていることが、この数字からわかります。要するに、多くの人にとって副業は攻めの選択というより、将来への備えという守りの意味合いを帯びているのです。
40代女性の4人に1人が「不安度MAX」
同調査では、40代女性の4人に1人が不安度を最も高い水準で回答したと報告されています(出典:lotsful『副業とお金の実態調査2026』)。
教育費や住宅ローン、老後資金といった支出が重なりやすい世代であり、お金に対する不安が具体的な生活課題と結びついていることがうかがえます。この層にとって副業は、家計の選択肢を広げる現実的な手段になっていると考えられます。
不安を行動に変える人が増えている
注目したいのは、不安を感じている人の95%以上がその不安を「副業意欲」に結びつけている点です。不安を抱えたまま立ち止まるのではなく、収入源を増やすという具体的な行動に転換している人が多いことを示しています。
もっとも、不安が強いときほど「早く増やしたい」という焦りから、リスクの高い投資や実態の見えない副業案件に向かいやすくなる点には注意が必要です。行動に移すこと自体は前向きでも、進め方は落ち着いて選びたいところです。
副業月収は二極化している
副業収入を投資に回す流れがある一方で、その収入額には大きな幅があります。lotsfulが2026年5月に実施した定点調査によると、副業の月収は次のように分かれています(出典:lotsful 副業に関する定点調査2026春)。
- 月収「30万円以上」の層:17.4%
- 月収「5万円未満」の層:32.2%
「まず月数万円」から始まるのが実態
月収5万円未満が32.2%と最も厚い層になっていることから、多くの人にとって副業はまず月数万円規模から始まるのが実態だとわかります。
この規模でも、投資に回す原資としては十分に意味があります。たとえば月3万円を継続的に積み立てるだけでも、年間では36万円の投資原資になります。副業収入をそのまま投資に振り向ける行動は、金額の大小にかかわらず資産形成の習慣づくりにつながります。
高収入層と少額層で戦略は変わる
月収30万円以上の層と5万円未満の層では、副業との向き合い方も自然と変わってきます。
- 少額層:無理なく続けられる副業で「投資に回す習慣」をつくる段階
- 高収入層:副業自体を事業として育て、投資と両輪で資産を伸ばす段階
自分がどの段階にいるかを把握すると、次に何を優先すべきかが見えやすくなります。まずは少額でも収入を継続させ、投資へ回す流れを定着させることが出発点になります。
副業収入を投資に回す前に確認したいこと
副業収入を投資に回すこと自体は合理的な選択ですが、始める前に押さえておきたい注意点があります。
手元に残る「使えるお金」を先に把握する
副業収入は額面がそのまま自由に使えるわけではありません。所得税や住民税がかかるため、税金分を差し引いた後の金額が実際に投資へ回せる原資になります。
投資額を決めるときは、額面ではなく手取りベースで考えることが基本です。申告漏れを防ぐためにも、副業収入と経費は月ごとに記録しておくと安心です。
生活防衛資金を確保してから投資する
不安を動機に副業を始めた場合ほど、早く投資で増やしたいという気持ちが先に立ちやすくなります。しかし投資には元本割れの可能性があるため、すべてを投資に回すのは避けたいところです。
- まず生活費の3〜6か月分を「生活防衛資金」として現金で確保する
- その上で、当面使わない余剰資金を投資に回す
- 投資額は無理のない範囲から始め、徐々に調整する
この順番を守ることで、副業と投資を長く続けられる土台がつくれます。
この記事のまとめ
lotsfulの調査が示したのは、副業がもはや「今月の家計を助ける手段」にとどまらず、将来への不安に対する資産形成の起点になっているという変化です。
- 副業収入の74%が投資に回されている(lotsful調査)
- 回答者の6割弱がお金に不安を抱え、その95%以上が副業意欲に影響
- 副業月収は「30万円以上」17.4%・「5万円未満」32.2%と二極化
- 投資に回す前に、確定申告・手取り・生活防衛資金を確認する
大切なのは、金額の大小よりも「副業で得た余剰資金を投資へ回す流れ」を無理なくつくることです。副業をこれから始めるなら、まずは月数万円でも続けられる仕事を選び、手取りを把握したうえで少額から投資を組み合わせていくのが現実的な進め方です。関心のある副業や投資制度があれば、公式サイトで制度の詳細や条件を確認するところから始めてみてください。
よくある質問
副業収入はいくらから確定申告が必要ですか?
給与所得者の場合、副業による所得(収入から経費を差し引いた額)が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。20万円以下でも住民税の申告は必要になる場合があるため、詳細は国税庁や自治体の案内で確認してください。
副業収入は全額を投資に回してもよいですか?
全額を投資に回すことは推奨できません。投資には元本割れの可能性があるため、まず生活費の3〜6か月分を生活防衛資金として現金で確保し、その上で当面使わない余剰資金を投資に回すのが基本的な考え方です。
副業の月収はどのくらいが一般的ですか?
lotsfulが2026年5月に実施した定点調査では、副業月収「5万円未満」が32.2%と最も多く、「30万円以上」は17.4%でした。多くの人はまず月数万円規模から始めているのが実態です。
なぜ副業収入は投資に回されやすいのですか?
副業収入は生活費と切り離された「上乗せのお金」になりやすく、投資の基本である余剰資金として扱いやすいためと考えられます。新NISAの定着で投資のハードルが下がったことも、副業収入を投資へ振り向ける流れを後押ししているとみられます。
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