パーソルHDが副業・フリーランス市場を年20%拡大へ、個人の働き方に迫る変化
パーソルホールディングスは2026年7月6日に開催する「IR DAY 2026」で、中期経営計画FY2028におけるSBU(戦略事業単位)戦略を公開します。同社が公開した資料によれば、副業・フリーランス支援サービス「HiPro」を、ハイクラス人材紹介と並ぶ成長領域と位置づけ、FY25の約140億円規模からFY28には約245億円規模へ拡大する方針です(出典:[パーソルHD 2181.T]「IR DAY 2026」の資料公開に関するお知らせ、https://finance.biggo.jp/news/jpx_tdnet_140120260703587575)。これは年平均成長率(CAGR)にして20%以上という高い水準の計画であり、国内人材業界最大手の一角が「個人が企業と直接契約し、プロとして働く」市場に大きく賭けていることを示しています。
HiPro事業の急拡大計画が示すもの
パーソルHDの資料によると、HiPro事業の売上規模はFY22の約75億円から、FY25には約140億円まで成長しています。そしてFY28には約245億円規模を目指すとしており、この期間の年平均成長率は20%以上という計画です(出典:同資料)。
- FY22実績:約75億円
- FY25実績:約140億円
- FY28計画:約245億円(CAGR20%以上)
一方で、同社が展開するハイクラス人材紹介事業の成長目標はCAGR10%以上とされており、HiProの成長率目標はその2倍近い水準に設定されています。さらにCareer SBU(キャリア関連事業群)全体では、FY2028に売上収益が前年比7〜10%増、調整後EBITDAマージン20%以上を目指すとされています(出典:同資料)。
この数字だけを見ると単なる一企業の事業計画に過ぎませんが、国内最大級の人材サービス企業が「正社員紹介」よりも高い成長率を「副業・フリーランス支援」に見込んでいるという事実は、労働市場の構造変化を映す鏡だと捉えるべきでしょう。
なぜ人材大手は「雇用」より「業務委託」に張るのか
パーソルHDのような大手人材会社にとって、正社員紹介は長年の収益の柱でした。それにもかかわらず、今回の中期計画でハイクラス人材紹介よりも高い成長率をHiPro(副業・フリーランス支援)に設定した背景には、企業側の採用ニーズの変化があると考えられます。
終身雇用を前提とした正社員採用だけでなく、プロジェクト単位・期間限定で専門スキルを持つ人材を必要とする企業が増えている、という一般的な傾向は各種報道でも指摘されてきました。パーソルHDの計画は、こうした流れを見越して経営資源を配分し直す動きだと理解できます。
AI投資と「人の介在価値」の両立という戦略
もう一つ見逃せないのが、AI活用に関する方針です。パーソルグループ全体でFY26からFY28の累計で約190億円をAI投資に充てる計画で、ベースケースで約330億円、アップサイドケースでは約430億円の効果を見込んでいるとされています(出典:同資料)。
同時に、パーソルは「AIの進展によってマッチング業務が自動化されても、意思決定支援は人でしか担えない部分であり、人の介在価値はシフトしていく」との見解を示しています(出典:同資料)。
マッチングの自動化と人による意思決定支援の両立という考え方は、副業・フリーランス市場を利用する個人にとっても重要な示唆を含んでいます。単純な案件マッチングはAIが担う一方で、「どのキャリアを選ぶべきか」「どの案件が自分の強みを活かせるか」といった判断支援には、引き続き人(エージェントやコンサルタント)が関わり続けるということです。[INTERNAL_LINK: フリーランス エージェント 活用法]
個人が今考えるべきこと——「今のスキルは業務委託で通用するか」
ここまでの数字が示しているのは、企業が個人を「プロ人材」として直接契約する機会が、今後さらに増えていく可能性があるということです。読者の中には、正社員としての働き方しか考えたことがない方も多いかもしれません。しかし、人材業界最大手がここまで明確に成長領域として位置づけている以上、「自分のスキルは業務委託・副業の形でも通用するか」を一度棚卸ししてみる価値はあるでしょう。[INTERNAL_LINK: 副業 スキルの棚卸し 方法]
具体的には、以下のような視点で自分の現状を振り返ることをおすすめします。
- 今の業務のうち、成果物や実績として社外に説明できる部分はどこか
- 専門性として言語化できるスキル(会計、マーケティング、エンジニアリングなど)を持っているか
- 副業・業務委託マッチングサービスに登録した場合、どのようなカテゴリで案件を探すことになりそうか
こうした棚卸しは、必ずしもすぐに副業や転職を実行するためのものではありません。むしろ、自分の市場価値を客観視し、今後のキャリア形成やリスキリング(学び直し)の方向性を定めるための材料として活用できます。[INTERNAL_LINK: リスキリング 始め方]
まとめ
パーソルHDが公開した中期経営計画は、副業・フリーランス支援サービス「HiPro」をFY25の約140億円規模からFY28に約245億円規模へ、CAGR20%以上で拡大する方針を示すものでした。この計画は、正社員紹介中心だった人材業界の重心が、個人と企業が直接つながる「業務委託型」の働き方へと移りつつあることを裏付けています。
同時にパーソルHDは、AIによるマッチングの自動化を進めながらも、意思決定支援という人にしかできない価値の重要性を強調しています。今後、副業・フリーランスという選択肢はより身近なものになっていくと考えられます。この機会に、自分のスキルが業務委託の市場でどう評価されるのかを一度確認し、必要であればリスキリングを通じて専門性を強化する準備を始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q. HiProとはどのようなサービスですか。
A. パーソルホールディングスが展開する副業・フリーランス人材の支援サービスです。企業と個人のプロ人材をマッチングする事業として、パーソルHDの中期経営計画で成長領域に位置づけられています(出典:同資料)。
Q. なぜ副業・フリーランス市場がハイクラス人材紹介より高い成長率で計画されているのですか。
A. パーソルHDの公表資料では詳細な理由までは明らかにされていませんが、企業のプロジェクト単位での専門人材ニーズの高まりが背景にあると考えられます。
Q. AI投資が進むと副業・フリーランスの仕事は減るのでしょうか。
A. パーソルHDは、マッチング業務がAIで自動化されても、意思決定を支援する人の役割は残ると説明しています(出典:同資料)。単純作業のマッチングよりも、専門性の高い意思決定支援型の仕事の価値が相対的に高まる可能性があります。
Q. 副業やフリーランスを始めるには何から準備すればよいですか。
A. まずは自分の業務経験の中で、社外に説明できる実績やスキルを言語化することから始めるとよいでしょう。その上で、専門性を強化するためのリスキリングを検討する方法もあります。
Q. この記事の情報はどこで確認できますか。
A. パーソルホールディングスが公表した「IR DAY 2026」の資料公開に関するお知らせが一次情報です(出典:https://finance.biggo.jp/news/jpx_tdnet_140120260703587575)。詳細な資料は同社のIR情報ページで公開される予定です。

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