外国人労働者の月給は約29万円|在留資格別の賃金格差を解説

外国人労働者の月給は約29万円|在留資格別の賃金格差を解説

外国人労働者を採用したい、あるいは同じ職場で働くことになった。そのとき最初に気になるのが「実際の待遇はどのくらいか」という点ではないでしょうか。厚生労働省の2025年外国人雇用実態調査によると、一般労働者として働く外国人の月給は29万2400円まで上昇しました。この記事では、賃金の水準と在留資格による格差、企業が直面する課題、そして受け入れ側が今から準備すべきことを、データをもとに整理します。

目次

外国人労働者の月給は29万2400円まで上昇した

まず結論から示します。厚生労働省の2025年外国人雇用実態調査によると、一般労働者として働く外国人の月給は29万2400円で、前年より1万7500円増えました(日本語教師ナビによる同調査の紹介記事より)。

前年から1万7500円の増加

賃金が1年で約1.8万円上がった背景には、人手不足を受けた待遇改善の動きがあると考えられます。外国人労働者は「安く雇える労働力」という見方をされることがありましたが、少なくとも一般労働者の平均額を見る限り、その前提は実態に合わなくなりつつあります。

外国人労働者の待遇は、人手不足を背景に改善が進んでいます。賃金だけを理由に採用を検討する段階ではなくなってきたと言えます。

「安い労働力」という前提は見直す時期に

日本人・外国人という区分ではなく、担う仕事の内容と専門性で賃金が決まる方向へ近づいています。採用する企業にとっては、賃金設計を国籍で分けるのではなく、職務・スキルを基準に組み立て直すことが求められます。

在留資格で広がる賃金格差

平均値の裏側には、在留資格による大きな差があります。ここが今回のデータでもっとも注目すべき点です。

専門分野と技能実習で9万円超の差

在留資格別の月給は次のとおりです(同調査の紹介記事より)。

  • 専門的・技術的分野:30万6500円
  • 特定技能:25万4100円
  • 技能実習:21万3500円

専門的・技術的分野と技能実習の間には、9万3000円の開きがあります。同じ「外国人労働者」でも、在留資格によって待遇はまったく異なることが分かります。

格差が示すのは「担う仕事の違い」

この差は差別的な格差というより、求められる技能水準と担当業務の違いを反映していると読むのが妥当です。専門的・技術的分野はエンジニアや通訳など高度な知識を要する職種、技能実習は現場での技能移転を目的とした制度です。

技能実習は本来「技能移転による国際貢献」を目的とした制度であり、労働力確保が主目的の特定技能とは制度趣旨が異なります。賃金水準だけで単純比較せず、制度の性格を踏まえて理解することが大切です。

企業が外国人を雇う理由と直面する課題

賃金の次に見ておきたいのが、企業がなぜ外国人を雇い、どこでつまずいているかです。

雇用理由のトップは「人手不足」で68%

企業が外国人を雇用する理由は、「労働力不足の解消・緩和のため」が68%で最多でした(同調査の紹介記事より)。積極的な多様性推進というより、人手を確保するための現実的な選択として広がっている実態がうかがえます。

最大の壁は「コミュニケーション」46%

一方、外国人雇用に関する課題としては次の点が挙がっています。

  • コミュニケーションが取りにくい:46%(最多)
  • 事務手続きの負担が煩雑
  • 文化などの違いによるトラブル

採用したものの、日々のやり取りや定着でつまずくケースが多いことが読み取れます。つまり、外国人を「採用できるか」よりも、「採用したあとにどう働き続けてもらうか」が実務上の焦点になっています。

受け入れ企業が今から学ぶべきこと

ここからは、データを踏まえて受け入れ企業側が準備すべきことを整理します。外国人材の受け入れは、企業側にもスキルの学び直し、すなわちリスキリングを求めるテーマだからです。

定着支援は「やさしい日本語」から

最大の課題がコミュニケーションである以上、現場のマネージャーや同僚が身につけるべきスキルは明確です。専門用語や敬語を避け、短く区切って伝える「やさしい日本語」は、その入り口になります。相手の語学力に頼るだけでなく、伝える側が歩み寄る技術を学ぶ発想が求められます。

労務・在留資格の基礎知識をチームで持つ

事務負担が課題に挙がっていることからも、在留資格ごとに就ける業務や更新手続きが異なる点を、人事担当だけでなく現場リーダーも理解しておくと運用がスムーズになります。

  • 在留資格ごとに従事できる業務の範囲を確認する
  • 「やさしい日本語」で指示・マニュアルを整える
  • 文化・宗教・生活習慣の違いを前提に受け入れ体制をつくる
  • 賃金は国籍ではなく職務・スキルで設計する

多様な人材を活かす力そのものが競争力になる

人手不足が構造的に続くなか、外国人材を含む多様なメンバーを束ねるマネジメント力は、今後どの企業でも求められるスキルになっていくと考えられます。受け入れは「コスト」ではなく、組織の対応力を高める学びの機会として捉える視点が有効です。

まとめ

外国人労働者の待遇は、人手不足を背景に確実に変化しています。要点を振り返ります。

  • 一般労働者の月給は29万2400円で、前年より1万7500円増加
  • 在留資格別では専門的・技術的分野30万6500円、特定技能25万4100円、技能実習21万3500円と差が大きい
  • 雇用理由の最多は「人手不足」で68%、最大の課題は「コミュニケーション」で46%
  • 受け入れ企業には、やさしい日本語や在留資格の基礎知識といった学び直しが求められる

外国人材の採用を検討しているなら、賃金水準の把握と並行して、社内の受け入れ体制とコミュニケーションの設計から準備を始めるのがおすすめです。まずは自社が想定する在留資格で、どの業務まで任せられるのかを確認するところから着手してみてください。

よくある質問

外国人労働者の平均的な月給はどのくらいですか?

厚生労働省の2025年外国人雇用実態調査によると、一般労働者として働く外国人の月給は29万2400円で、前年より1万7500円増加したと報じられています。ただし在留資格や職種によって水準は大きく異なります。

在留資格によって賃金に差があるのはなぜですか?

在留資格ごとに従事できる業務の範囲や求められる技能水準が異なるためです。専門的・技術的分野は高度な知識を要する職種が中心で月給30万6500円、技能移転を目的とする技能実習は21万3500円と、担う仕事の性格の違いが賃金に反映されています。

企業が外国人を雇用する主な理由は何ですか?

同調査の紹介記事によると、最多は「労働力不足の解消・緩和のため」で68%でした。多様性推進よりも、人手を確保するための現実的な選択として広がっている傾向がうかがえます。

外国人を採用するうえで企業が最も苦労している点は何ですか?

課題として最も多く挙がったのは「コミュニケーションが取りにくい」で46%でした。次いで事務手続きの煩雑さ、文化などの違いによるトラブルが続きます。採用後の定着を支える体制づくりが実務上の焦点になります。

受け入れ側の企業はどんな準備をすればよいですか?

やさしい日本語での指示づくり、在留資格ごとの就労ルールの理解、文化・生活習慣の違いを前提とした受け入れ体制の整備が有効です。賃金も国籍ではなく職務・スキルを基準に設計し直すことが、定着とトラブル防止につながります。

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