副業を始めた人の59.0%が、月の収入5,000円未満にとどまっています。株式会社LandSitzが2026年7月31日に発表した調査(全国20〜60代の男女500人対象)の数字です。同じ調査では、88.0%が「働かずに得られる収入に憧れる」と答えました。憧れと現実のあいだには、大きな開きがあります。この記事では、その差がなぜ生まれるのかを整理し、副業を選ぶときに期待値をどう調整すればいいかを具体的に説明します。
「憧れ」と「実際にやっていること」がズレている
まず調査の全体像を確認します。LandSitzの調査では、本業以外の収入を得た経験がある人は94.0%にのぼりました(単発・不定期57.4%、継続的24.6%、過去にあった12.0%)。副業経験そのものは、いまや珍しいものではありません。
一方で、実際に取り組んでいるジャンルの上位2つは、どちらも手を動かし続けないと収入が止まる「労働型」でした。
- 1位:クラウドソーシング・在宅ワーク 57.0%
- 2位:ポイ活・アンケートモニター 50.0%
対して、いったん仕組みを作れば手をかけずに収入が入る「資産運用型」の代表格である投資信託・NISA・iDeCoは、22%台にとどまっています(LandSitz、2026年7月31日発表)。
- 働かずに得る収入に憧れる人は88.0%
- でも実際に選ばれているのは「労働型」の副業が上位
- 憧れの対象と、実際の行動が一致していない
「労働型」と「資産型」は何が違うのか
副業を大きく2つに分けると、性質の違いが見えてきます。
労働型は、作業した時間や量に応じて報酬が発生するタイプです。クラウドソーシングでの記事作成、データ入力、アンケート回答などが当てはまります。始めやすく、成果がすぐお金になる反面、手を止めれば収入も止まります。
資産型は、お金や作った資産(コンテンツ・仕組み)が収入を生むタイプです。投資信託の分配金、蓄積した記事や動画からの継続収入などが該当します。育つまで時間がかかる代わりに、軌道に乗れば作業量と収入が比例しなくなります。
憧れているのは資産型なのに、実際に手をつけているのは労働型。この調査が映し出しているのは、そのミスマッチです。
なぜ「労働型」に集まるのか
労働型に人が集まるのは、意志が弱いからではありません。合理的な理由があります。
労働型は初期費用がほぼゼロで、成果がすぐ現金になる点が強みです。クラウドソーシングもポイ活も、スマホと空き時間があれば当日から始められます。資産型のように「元手」や「育てる期間」を必要としません。
副業に踏み出す多くの人は、まず「本当に収入になるのか」を確かめたい段階にいます。その最初の一歩として、リスクが小さく結果が見えやすい労働型が選ばれるのは自然なことです。
現実の収入額を直視する
ただし、収入額のデータは冷静に見ておく必要があります。LandSitzの調査では、副業収入は次のような分布でした。
- 「5,000円未満」41.0%(最多)
- 「収入はない・ほぼゼロ」18.0%
- 合わせて59.0%が月5,000円未満
つまり副業をしている人の約6割は、月に数千円という水準にとどまっています。この数字は、副業に対する期待値を現実に合わせるための出発点になります。
期待値のズレを埋める3つの視点
憧れと現実の差を埋めるには、副業を「収入の即効性」だけで選ばないことが大切です。次の3つの視点で自分の副業を捉え直してみてください。
目的を「収入」と「スキル」に分けて考える
副業の成果は、お金だけではありません。クラウドソーシングでのライティングや制作は、報酬が小さくても実務スキルと実績が手元に残ります。この実績は、将来の単価アップや本業のキャリアにつながる資産になり得ます。
「月5,000円」を単なる少額と見るか、スキルを身につけながら得た副収入と見るかで、続ける意味は変わります。
労働型で得た資金を資産型に回す
労働型と資産型は、どちらかを選ぶものではありません。労働型で得た副収入を、NISAなどの資産運用に回すという順番が現実的です。
調査で資産運用型が22%台にとどまっているのは、多くの人にとって元手づくりのハードルが高いことの裏返しとも読めます。まず労働型で小さな元手を作り、それを運用に回す。この流れなら、憧れていた資産型へ無理なく近づけます。
時間単価で振り返る習慣を持つ
労働型を続けるなら、定期的に「作業時間あたりいくらになったか」を計算する習慣を持つことをおすすめします。時間単価が見えると、割に合わない案件を避け、単価の高い仕事へ移る判断がしやすくなります。
- 今月の副業収入 ÷ 作業に使った時間 = 時間単価
- 本業の時給と比べて納得できるか確認する
- 単価が低ければ、スキルが身につく案件かどうかを基準に選び直す
この記事のまとめ
働かずに得る収入への憧れは88.0%と高いものの、実際に選ばれているのは労働型の副業で、収入も月5,000円未満が約6割という実態が明らかになりました(LandSitz、2026年7月31日発表)。憧れと現実のギャップは、期待値の置き方を見直すことで埋められます。
要するに、副業は「即座に大きな収入」を期待する対象ではなく、スキルと小さな元手を積み上げる場として捉えると続けやすくなります。労働型で得た経験と資金を資産型へつなげていく——この順番を意識するだけで、副業との付き合い方は変わります。まずは自分がいま取り組んでいる(あるいは検討している)副業が労働型か資産型か、そして時間単価がどれくらいかを書き出すところから始めてみてください。
よくある質問
副業で月5,000円未満なら、やる意味はないのでしょうか。
収入額だけで判断する必要はありません。LandSitzの調査では副業をしている人の約6割が月5,000円未満ですが、労働型の副業では報酬とは別に実務スキルや実績が手元に残ります。時間単価とスキルの伸びの両面で振り返ると、続ける意味が見えやすくなります。
働かずに収入を得る「資産型」から始めるのは難しいですか。
資産型は元手や育てる期間が必要なため、最初の一歩としてはハードルが高い傾向があります。実際に調査でも投資信託・NISA・iDeCoに取り組む人は22%台にとどまっています。まず労働型で小さな元手を作り、それを運用へ回す順番が現実的です。
労働型と資産型は、どちらを選ぶべきですか。
二者択一で考える必要はありません。労働型は始めやすく成果がすぐ現金になる一方、手を止めると収入も止まります。資産型は育つまで時間がかかる代わりに作業量と収入が比例しなくなります。労働型で得た資金を資産型に回すことで、両方の長所を活かせます。
副業を選ぶとき、何を基準にすればいいですか。
「収入の即効性」だけで選ばないことが大切です。目的を収入とスキルに分けて考え、労働型なら時間単価を定期的に計算し、割に合わない案件を避けてスキルが身につく仕事を選ぶ視点を持つと、期待値と現実のズレを抑えられます。
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