Uターン・Iターン転職が4割超で定着|地方転職でも平均年収554万円に

Uターン・Iターン転職が4割超で定着|地方転職でも平均年収554万円に

「地方に戻ると年収が下がる」。Uターン・Iターン転職を考えるとき、多くの人が最初にぶつかる不安がこれです。ところが地方特化型の転職支援サービスの最新データを見ると、地方転職者の平均提示年収は554万975円で、前回集計より上昇していました。この記事では、地方転職のリアルな年収・定着率のデータをもとに、「年収ダウンを避けながら地方で働く」ための考え方と具体的な進め方を整理します。

目次

地方転職者の平均年収は554万円|「年収ダウン」の前提が変わりつつある

まず結論から。地方特化型の転職支援サービス「リージョナルキャリア」の2026年4〜6月期実績によると、転職支援者の平均提示年収は554万975円で、前回集計の540万4,107円から上昇しました(出典:株式会社リージョナルスタイル「リージョナルキャリア」転職支援実績、2026年4〜6月期)。

提示年収600万円以上の割合も、前回の28.7%から30.5%へと増えています。つまり、支援対象者のおよそ3人に1人が600万円以上を提示されている計算です。

地方転職の年収ポイント(2026年4〜6月期)

  • 平均提示年収:554万975円(前回540万4,107円から上昇)
  • 提示年収600万円以上の割合:30.5%(前回28.7%)
  • 入社後6カ月以上の定着率:95.7%

なぜ「地方=年収ダウン」のイメージが強いのか

地方転職に年収ダウンのイメージがつきまとうのは、都市部と地方の給与水準に差があること自体は事実だからです。ただし、この平均値の比較には見落としがあります。

地方特化型サービスが支援しているのは、事務系・技術系・営業系といった専門職や管理職のミドル層が中心です。同じ「地方の仕事」でも、こうした職種の求人はもともと給与水準が高く、単純な地域平均とは異なります。要するに、「どの層が、どの職種で地方に移るか」で年収の景色は大きく変わるということです。

都市部の転職市場との対比で見えること

同時期の都市部を含む全国の転職市場も、求人自体は活況です。パーソルキャリアの「doda転職求人倍率レポート」では、2026年6月の転職求人倍率は2.55倍と高水準でした(出典:doda転職求人倍率レポート2026年6月)。

求人が多いこと自体は都市・地方を問わず追い風です。一方で都市部の高倍率求人は特定職種に偏りやすく、必ずしも生活の満足度に直結しません。地方転職の数値が示しているのは、「年収を大きく落とさずに、生活環境を変える」という選択肢が現実的になってきたという点です。

定着率95.7%が示す「地方転職はミスマッチしにくい」理由

地方転職のもう一つの注目データが定着率です。入社後6カ月以上の定着率は95.7%で、高い水準を維持しています(対象:2025年10〜12月入社者254人)。

転職で最も避けたいのは「入ってみたら合わなかった」という早期離職です。定着率が高いという事実は、地方転職が勢いや一時的な感情だけで決まっているわけではないことを示唆しています。

移住という決断が「事前のすり合わせ」を促す

定着率が高い背景には、地方転職特有の事情があると考えられます。地方への転職は、多くの場合「引っ越し」を伴います。住む場所・家族の生活・地域コミュニティまで含めて検討するため、都市部内の転職より事前の情報収集と覚悟が深くなりやすいのです。

その結果、企業と求職者の相互理解が進んだ状態で入社に至り、ミスマッチが起きにくい。これは数値の裏側にある構造的な理由として理解しておくと役立ちます。

業種・職種の内訳から自分の可能性を測る

支援実績の内訳を見ると、地方転職で動いている職種の傾向がわかります。

  • 業種別:メーカーが48.7%で最多
  • 職種別:事務系35.7%、技術系(電気・機械)21.6%、営業系15.2%
この内訳はあくまで一つの地方特化サービスの実績です。地域や業界によって求人の出方は異なります。自分の職種が上記に含まれない場合も、あきらめる前に複数のサービスで求人動向を確認することをおすすめします。

製造業が地域経済の柱になっている地方が多いことを踏まえると、メーカー中心という内訳は自然な結果です。技術系・事務系の比率が高い点は、専門スキルを持つミドル層に地方の受け皿があることを示しています。

年収を落とさず地方転職を成功させる3つのステップ

データを踏まえたうえで、実際に地方転職を進めるための手順を整理します。ポイントは「年収の相場観」と「生活コストの再計算」を先に固めることです。

ステップ1:希望エリアの職種別相場を確認する

最初にやるべきは、感覚ではなくデータで相場を掴むことです。地方特化型サービスの平均提示年収554万円はあくまで全体平均で、職種や地域によって幅があります。

  • 希望する職種の求人が、そのエリアにどれだけあるか
  • 提示年収のレンジ(最低〜最高)はどのくらいか

この2点を、地方特化の転職エージェントや求人サイトで確認します。都市部中心の大手サービスだけでは地方求人を拾いきれないことがあるため、地域に強いサービスを併用するのが現実的です。

ステップ2:手取りではなく「可処分所得」で比較する

年収の額面だけを都市部と比べると判断を誤ります。比べるべきは、家賃・通勤・生活費を差し引いた後に手元に残る金額です。

地方は都市部より住居費が下がるケースが多く、同じ年収でも生活の余裕は変わります。額面が多少下がっても、可処分所得はむしろ増えるという結果になることもあります。額面の増減だけで一喜一憂しないことが大切です。

ステップ3:定着を前提に「移住後の生活」まで設計する

定着率95.7%というデータが示すように、地方転職は「入った後」まで見据えると成功しやすくなります。仕事だけでなく、家族の生活・子どもの教育・地域との関わりまで含めて検討しておきましょう。

  • 配偶者・家族の働き方や生活環境の希望をすり合わせる
  • 可能なら移住前に現地を訪れ、通勤や生活のイメージを持つ
  • 入社後の役割・評価の仕組みを面談で具体的に確認する

事前のすり合わせが深いほど、入社後のギャップは小さくなります。

まとめ:地方転職は「年収を諦める選択」ではなくなってきた

地方特化型サービスの2026年4〜6月期データは、Uターン・Iターン転職が支援者の43.9%と4割を超え、平均提示年収は554万975円まで上昇していることを示しました。定着率95.7%という数字も、地方転職が衝動ではなく納得のうえで進んでいることを裏づけています。

かつての「地方に戻る=年収を下げる」という前提は、少なくとも専門職・ミドル層においては見直す余地があります。大切なのは、額面ではなく可処分所得で比較し、仕事と生活の両面から設計することです。

地方への転職を具体的に考え始めたら、まずは希望エリアの職種別求人と提示年収のレンジを、地域に強い転職サービスで確認してみてください。相場を知ることが、最初の一歩になります。

よくある質問

Uターン転職とIターン転職の違いは何ですか?

Uターン転職は、生まれ育った地方から都市部へ出た人が、再び出身地やその近隣に戻って働くことを指します。Iターン転職は、都市部出身の人が縁のなかった地方に移り住んで働くことです。どちらも「都市部から地方への移動」という点は共通しています。

地方転職では本当に年収が下がらないのですか?

必ず下がらないとは言えません。ただし地方特化型サービスの2026年4〜6月期実績では、平均提示年収が554万975円で前回より上昇し、600万円以上の割合も30.5%に増えています(出典:株式会社リージョナルスタイル)。職種や地域によって差はあるため、希望エリアの相場を個別に確認することが重要です。

地方転職はどんな職種で求人が多いですか?

同サービスの実績では、業種別でメーカーが48.7%と最多、職種別では事務系35.7%、技術系(電気・機械)21.6%、営業系15.2%となっています。製造業が盛んな地域を中心に、専門スキルを持つミドル層の受け皿があると考えられます。地域差があるため複数サービスでの確認をおすすめします。

地方転職はミスマッチが心配です。定着率はどのくらいですか?

同サービスのデータでは、入社後6カ月以上の定着率は95.7%でした(対象:2025年10〜12月入社者254人)。移住を伴うため事前のすり合わせが深くなりやすく、結果としてミスマッチが起きにくいと考えられます。仕事だけでなく生活面まで含めて検討しておくと、定着しやすくなります。

都市部の転職市場と比べて、今は地方に動くべきタイミングですか?

タイミングは個人の状況によります。都市部を含む全国の転職求人倍率は2026年6月時点で2.55倍と高水準で、求人自体は都市・地方ともに動きやすい環境です(出典:doda転職求人倍率レポート2026年6月)。求人が多い今は選択肢を比較しやすい時期といえますが、移住は生活全体に関わる決断のため、焦らず相場と生活設計を固めてから動くことをおすすめします。

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